建築設計学

社会生活の基盤としての建築空間を対象とし、その現実的な諸様態を考察するとともに、空間そのものの意味や成立過程を検証することによって、生命の時代と言われる21世紀にふさわしい有機的で多様性に満ちた空間の設計理論の構築とデザインの実践を行う。

教員

平田 晃久 ( Akihisa HIRATA )

准教授(工学研究科)

研究テーマ

  • 先進的幾何学を用いた建築の生成原理の研究
  • 他者の介在による生命論的設計プロセスの研究
  • コンピューテーションを駆使した自然環境との融合の研究
  • 生命的原理に基づく建築理論の研究
  • 建築家の思想と作品に関する理論的・実証的研究

連絡先

桂キャンパス C2棟 2階207号室
TEL: 075-383-2906
E-mail: hirata@archi.kyoto-u.ac.jp

前田 昌弘 ( Masahiro MAEDA )

講師(工学研究科)

研究テーマ

地域コミュニティの役割とその継承・再編という観点から、社会の不確実な変化にも対応した居住空間の計画論について研究を行っています。また、関西の大都市都心部や国内外の自然災害被災地を対象として、平常時と非常時における住まい・まちづくりについて研究を行っています。

連絡先

桂キャンパス C2棟 4階407号室
TEL: 075-383-2950
E-mail: maeda@archi.kyoto-u.ac.jp
Web: masahiromaeda.net

研究テーマ・開発紹介

平田研究室

1. 先進的幾何学を用いた建築の生成原理の研究

建築は「かたち」を持った存在だが、同時に建築形態がどのような意味的、機能的「はたらき」を持つか、という観点も欠かすことができない。本研究室では、先進的幾何学を用いて、建築の種(たね)のような生成原理を導きだし、植物を育てるようにして建築を設計する方法論を研究する。それによって建築の「かたち」と「はたらき」の関係を新しく定義しなおすことを目指す。

2. 他者の介在による生命論的設計プロセスの研究

生命の概念は、建築の設計において単なるメタファーにとどまるべきものではない。実際、生命をシステム論的に捉えなおす現代の知の文脈の中では、建築や都市、あるいはその背後にある社会構造ですらも、文字通り「生きている」と考えることができる。こうした拡張された生命概念を前提にするとき、生命のような建築は、単にバイオミミックな形態のレベルにとどまるべきものではない。建築が生まれる基盤となる社会的プロセスとからみ合うものとして建築を捉えなおすことが不可欠なのである。本研究室では具体的なプロジェクトを通して、他者の介在する設計プロセスを実践、その理論的位置づけについて考察する。

3. コンピューテーションを駆使した自然環境との融合の研究

建築にとっての他者は、文字通りの人間や人間組織やその活動に限定されない。風や水の流れ、熱といった環境を形成する要素もまた、建築にとっての「他者」なのである。こうした流れとからまり合う建築の可能性は、近年のコンピューターによるシミュレーション技術の発展に伴って飛躍的に増大している。本研究室ではしかるべき研究者との協働を視野に入れながら、こうした未知の建築の可能性を提示するような建築的あるいは都市的プロジェクトを制作し、その過程の中で得られた知見を理論的枠組みの中にフィードバックする試みを行う。

4. 生命的原理に基づく建築理論の研究

一口に生命的原理に基づく建築、といってもその扱う範囲は多岐にわたる。上記に紹介したような設計プロセスをフィードバックした理論の構築はもとより、より広範囲な様々な論点からのアプローチ、たとえば作家論、空間論、記号論等々の枠組みからの検証もまた、不可欠である。本研究室は、真に生き生きとした建築をつくりだしていくための幅広い理論的研究を、各自の適正に応じて自由に行い、その結果として様々な観点からの検証に耐えうるような建築設計/理論における総合的視野の獲得を目指す。

5. 建築家の思想と作品に関する理論的・実証的研究

新しい建築空間の創出にむけて、近・現代の建築家の思想や作品の特質を設計論的観点から分析する。

前田研究室

1. 持続可能な居住環境デザインに資する理論・方法論の探求

現代の社会において住まいと何か、まちづくりとは何かを問いつつ、持続可能な居住環境デザインに資する居住空間と社会のあり方・仕組みの関係について考える。また、社会科学者や隣接分野研究者と協働して、サスティナビリティ論、コミュニティ論、ウェルビーイング(幸福)論などを検討しながら、シナリオプラニング等の社会選択・意思決定手法を居住環境デザインへと応用・展開する方法を探る。

2. 個人—社会の関係性の継承・再編を支える居住空間デザイン

従来の住宅計画において拠り所とされてきた個人・家族・コミュニティの像は大きく揺らいでいる。そのような中で個人-社会の関係の現代的諸相を把握し、さらにその継承・再編を支え得る居住空間デザインについて、子育て支援住環境、既存建築ストック再生、地蔵盆まちづくりなどを通じて研究する。

3. 平時—非常時の関係からみた住まい・まちづくり支援技術の開発

各地で災害が相次ぎ、非常時であることが日常であるかのような昨今の日本では、平時と非常時の関係を横断的に捉えた住まい・まちづくり支援が不可欠である。東北や熊本の震災における住まいとまちの復興、京都都心部の密集市街地における防災マップづくりなどを通じて新たな支援技術を開発する。