居住空間学

固有性と多様性を備えた真に豊かな人間居住の実現をめざして、主として地域性や文化、時代・時間との関わりに注目しながら、具体的な居住空間=都市/街区/建築/住居の空間構成、形成・変容プロセス、使われ方、再編手法等についての調査研究、およびその成果を元にした実践にとりくみます。

教員

柳沢 究 ( Kiwamu YANAGISAWA )

准教授(工学研究科)

研究テーマ2017-柳沢究

”Where is this Place?” と ”What Time is this Place?” という2つの問いに、建築や都市がいかに答えられるかを考えています。前者は地域性や場所のアイデンティティ、後者は環境における歴史性や時間的表現の問題です。具体的には、アジアの伝統的居住空間の現代的変容に関するフィールド研究や、形成履歴の判読に基づく建築の改修・再生手法の研究などに取り組んでいます。

連絡先

桂キャンパス C1棟4ブロック 2階281号室
TEL: 075-383-3277
E-mail: yanagis@archi.kyoto-u.ac.jp

前田 昌弘 ( Masahiro MAEDA )

助教(工学研究科)2017-前田昌弘

研究テーマ

地域コミュニティの役割とその継承・再編という観点から、社会の不確実な変化にも対応した居住空間の計画論について研究を行っています。また、関西の大都市都心部や国内外の自然災害被災地を対象として、平常時と非常時における住まい・まちづくりについて研究を行っています。

連絡先

桂キャンパス C1棟4ブロック 2階283号室
TEL: 075-383-3278
E-mail: maeda@archi.kyoto-u.ac.jp

研究テーマ・開発紹介

アジアの伝統的居住空間の現代的変容に関する調査・研究

現代の都市や集落において、伝統的居住空間がどのような現代的な変化を被り、どのような空間や理念が取捨選択されているのか。地域性と結びついた居住空間の変容のダイナミズムを空間的パターンとして抽出することを通じて、その土地ならではの居住空間の現代的あり方を考える。

2017-Fig-1a   2017-Fig-1b

インド・ヴァーラーナシー旧市街の街区構成と寺院を内包するように増築された住居

時間的連続性を保った居住空間の再編に関する調査・研究・提案

スクラップ&ビルドを脱し、時間的連続性を担保する都市・建築の更新方法を探る。時間や愛着の蓄積・継承はいかに可能か。リノベーションやそれを伴うまちづくりといった居住空間の再編フェーズにおいて、どのように過去を判読し、現在の課題を重層させ、未来を形づくるのか。時間を重ねることで生まれる複雑で魅力的な居住空間をめざして、理論と実践の両面から取り組む。

2017-Fig-2a 2017-Fig-2b

あじまの家(2015)           紫野の町家改修(2011)

住まいの体験に根ざした居住空間計画手法の研究

建築に対する価値観形成の核となる住まいと生活の経験=「住経験」にアプローチする試み。居住空間を含む環境に対するリテラシーや評価は、各人の空間体験、とりわけどのような住居でどのように暮らしてきたかという個人的な経験に規定されると考えられる。これまでどんな家に住まってき、そしてどんな家に住むのか。

2017-Fig-3

ヒアリングからの間取りの復原による住経験の分析

持続可能な居住環境デザインに資する理論・方法論の探求

現代の社会において住まいと何か、まちづくりとは何かを問いつつ、持続可能な居住環境デザインに資する居住空間と社会のあり方・仕組みの関係について考える。また、社会科学者や隣接分野研究者と協働して、サスティナビリティ論、コミュニティ論、ウェルビーイング(幸福)論などを検討しながら、シナリオプラニング等の社会選択・意思決定手法を居住環境デザインへと応用・展開する方法を探る。

個人—社会の関係性の継承・再編を支える居住空間デザイン

従来の住宅計画において拠り所とされてきた個人・家族・コミュニティの像は大きく揺らいでいる。そのような中で個人-社会の関係の現代的諸相を把握し、さらにその継承・再編を支え得る居住空間デザインについて、子育て支援住環境、既存建築ストック再生、地蔵盆まちづくりなどを通じて研究する。

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京都・堀川団地再生まちづくり(左・再生後外観、右・住戸改修計画)

平時—非常時の関係からみた住まい・まちづくり支援技術の開発

各地で災害が相次ぎ、非常時であることが日常であるかのような昨今の日本では、平時と非常時の関係を横断的に捉えた住まい・まちづくり支援が不可欠である。東北や熊本の震災における住まいとまちの復興、京都都心部の密集市街地における防災マップづくりなどを通じて新たな支援技術を開発する。

2017-Fig-6 

災害後の再定住における住まい・コミュニティの変化の分析